前話までの通り、
バンドブレーキの問題点を解決したブレーキ・サーボブレーキは中国電動自転車の後輪ブレーキのスタンダードなり、日中におけるKARASAWAブランドが定着してきたように思う。
中国シェアサイクルの急拡大は記憶に新しいが、その自転車にもバンドブレーキが採用されている。
現在、日本では道路事情は格段に良くなり、
キャリパーブレーキやディスクブレーキなど、さまざまなブレーキを搭載した自転車がたくさん走っているが、
しかしながら現在でもなお、軽快車にはKARASAWAのバンドブレーキが採用されている。
バンドブレーキは、常にライニングの改良を積み重ねてはいるものの、
基本構造をまったく変えることなく、100年もの間、愛され続けているのだ。
シンプルな構造と低コストというメリットがその理由であると考える。
道路が整備されておらず、雨の多い地域ではバンドブレーキの需要はまだまだ伸びるかもしれない。
また、バンドブレーキ、サーボブレーキのみならず、
これからのますます多様化するであろう市場向けの新機構ブレーキ開発が最終段階に入っている。
創業100年を迎えた元祖バンドブレーキの唐沢製作所の挑戦はこれからも続く。
バンドブレーキの誕生と変遷物語 全7話
〜完〜