ブレ〜記

ブレーキに関する情報その他様々な情報をお届けします。

ブレーキ材の開発も終盤に。。。

ブレーキ材自社開発にのりだしてから早3年。。。
2023年現在、とうとう終盤に差し掛かってまいりました。

弊社は創業より100年余り、主に一般自転車(軽快車)のブレーキ専門のメーカーでした。

弊社のブレーキはドラム形式であることや小径で薄いという特質があります。

近年、その特質に注目した他業界のメーカーさまから自転車用途以外のブレーキを求められることが多く、そのニーズの高まりを感じていました。

前述の他業界のうち、とりわけ自動車業界に注目していただいてたわけですが、自動車メーカーさまからは細かな制動性能やTS(技術標準仕様書)などを求められます。

以前は、ブレーキ材のメーカー(他社)さまにブレーキ材をライニングの形状に成型いただいたものを使っておりましたが、それではうまくいかなくなってきたのです。

当然、他社が製造しているブレーキ材ではその配合も材料の種類も細やかに特定できないため、それを特定すべく自社開発し、どうせならさらにそのノウハウで次世代潜在ニーズに対応していこうということです。

・他社ではやっていない自転車以外のゴム系ブレーキ材

・摩擦性能にこだわったレジン系ライニング

・SDGsなど環境問題を考慮したエコなブレーキ材

などなど。。。

「どうせ開発するならそういう次世代ものを開発していこう!」

という弊社社長・唐沢の号令により開発が続けられております。

現在、その中でもゴム系ブレーキ材の開発が終盤を迎えております。

今までのゴム系ライニングは自転車や車いす、ベビーカー用途でつくられているため、ブレーキトルクや耐熱性もそれに即した程度のものでした。

しかし、

現在開発中のものはブレーキトルクも耐熱性も格段に向上し、小型EVのブレーキトルク性能にも十分に対応できるものになっております。

ブレーキ材の開発は機構開発とは違い、材料同士の分子反応や電子移動など物理・化学の知見が必要になるので、その辺は専門家のお知恵を拝借、成型メーカーさんのノウハウを拝借しながら開発を進めています。

5月には堺の自転車産業振興協会技術研究所に出向き、ゴム系ライニングを実装したブレーキ装置の試験を行いました。

予想以上の結果も得られましたが、修正点も数点見えました。
※自転車産業振興協会の技術研究所の皆様、ご協力ありがとうございました!!


さて開発もラストスパート!市場導入までもうすぐです。

さすが自転車の町、堺。島野庄三郎さんの石碑が自振協、技術研究所の横に建っております。
ゴム系ライニングを実装したバンドブレーキでJIS試験開始!
数種類のライニングを試すので、取付、取り外しの連続。